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【コラム】” おまえの家に火をつけてやる ”と届いたメール

” おまえの家に火をつけてやる”

会ったこともない男から、こんなメールが届いたとき。もし、あなたならどうするだろう?私はかつて、ひとりだけ、こんなヤバイ男を、上手にいなした女を知っている。

 

書家キミクル、私である。

 

普段、手紙を書くとき。言いたいことだけ書くのではなく相手の反応を予測する癖がついていて、心底良かったと思った日はなかった。

 

当時、私は代々木にある企画プロデュース会社に勤めていた。そして、会社がリリースしたばかりの携帯ゲームのバグを見つけるため、ゲーム三昧の日々。

 

さらに、上司から新作のアイデア出しをするため、他社ゲームも遊ぶよう指示され、自分で選んだのが、奴と接触することとなる戦国ゲームだった。

 

その戦国ゲームは、自動で他のユーザーとペアを組ませる特徴があり、そしてそのペアには、7文字だけメールが送り合うことが可能で、城を攻めるときに相談として使う仕様になっていた。たとえば「ミズゼメ」「テッポウ」など。

 

当時、相談しあって進行するゲームは画期的で、それはそれはとても楽しかった。ところが、ある日。いつもとは、毛色の違うメールが届いた。「ネリマク」というワードが届いたのだ。

 

すぐ地名だと気づく。ああ、このユーザーは練馬区住民なんだと思い、私も合わせるように「セタガヤ」と返信をした。そのあと、また相手が何か送ってきたので、合わせて「ウメガオカ」と返信。

 

こんなやりとりの中で、相手が、25才の男性で、京都育ちというのがわかった。並行して、戦国ゲームは続いていった。

 

それから1週間後の金曜日。夜の20時くらい、いきなり目を疑うメッセージが届いた。「イマウメガオカ」「エキニコイ」。まさかの展開に、心臓がバクバクした。さらに「コナカカッタラ」「イエ二」「ヒヲツケテヤル」と、たて続けて入ってきた。

 

怖かった。怖かった。でも、最寄駅は伝えたけど、家の住所まではバレてない。相手は家に、火なんてつけようがない。ただ脅してるだけだ。え、ただ脅してるだけなの?

ちょっと待って。なんで私が、脅されなきゃいけないんだ!!てか、こんな奴は私がシメなくては、他の子が巻き込まれる!!

 

そんな思考回路が繋がった結果、私は、梅ヶ丘駅に向かってダッシュで走っていた。バカである。

 

そして、駅前に停車してる怪しい車を発見するないなや、窓を激しくノックして外に出ろと相手を車から下ろしていた。

本人もきっと、怖がりながら女の子が登場すると思ってたのに、ものすごいブチ切れた女がやってきたので、驚いて、飛び降りてしまったという感じだった。

そして私は、強く聞いた。「いったい、なんなんだコレは!」すると、小さな声で奴がいった。

「すみません、なんかむしゃくしゃしてて」私の中の、金八先生発動する。
「おまえは、何をむしゃくしゃしてんだ」
「僕、1ヶ月前から東京に転勤になって。京都で彼女ができたばっかなのに、会えなくなって。連絡も少なくなってさみしいし、仕事にも慣れなくて、つい・・・」

最後まで聞いていれずに、カブせて説教してやった。

「ついじゃねー!!東京でさみしいのは、おまえだけじゃないんだよ!!みんな、踏ん張ってんの。てか、こんなことしてる暇があるなら、とっとと京都帰って彼女に会えばいいじゃん!!このまま京都、行けっ!!そもそも自分の彼氏が、こんなことしてたら、どんな彼女もドン引きだよ!なにやってんだ、おまえは!!」

私がマックスで説教をしてると、奴が笑い出した。

何がおかしいんだと聞く。すると、こんなこと言われた。「なんか嬉しくて。久しぶりに地元のツレと話してるみたいで嬉しくて」と。さらに「俺ら、出会い方は間違っちゃったけど、友達になられへんかな」と、提案してきた。

 

いや、待て。私には、こんなイカれた地元のツレなんていないし、そもそもしっかりと確認したいこともあった。「さっき、私の家に火をつけてやるってメール送ってきたじゃない。あの時は、本気だったの?」私は、関西ジョークだと言って欲しかったのである。ところが奴は、何も言わなかった。

ただ、コクリと1回うなずくのだった。

 

やばい!!こいつだけは、二度と私に会いに来させてはいけない!!だが、そんな気持ちを悟られてはいけない。どうすればいいんだー。というわけで、手紙でもよくやってる思考法を使う。

 

 

 

 

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